2022年3月17-18日
 高知県は2度目とはいいつつ、前回(2020年)は半日ほどの滞在で、訪れたというほどではない。 初めてといっていいし、これから再び訪れることも考えられない土地であるので、 心置きなく、めぼしいところは見ておきたい。
 かねてから現存天守(江戸時代の天守閣が残っているお城)を巡っており、 今回の遍路旅のもう一つの目的は、高知城と宇和島城の訪問になる。

桂浜
<<桂浜:坂本龍馬像>>

高知駅前

<<高知駅前:土佐三志士の像>>
左から、武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。 土佐藩で、幕末に活躍し、非業の死を遂げた志士たちである。

大きくて立派な像であるが、そんなに古くはない。 大河ドラマ「龍馬伝」の放映の翌年に開催された、県主催の「志国高知 龍馬ふるさと博」の目玉企画として作成された。 もちろん銅像ではなく特殊加工された発泡スチロール製だという。

大きな台風の際には、避難することもあるという。

高知城
<<高知城:追手門>>
関ケ原合戦で活躍した山内一豊は、掛川から当地に移封され、土佐二十四万石の当主となった。 彼は、当地を新城の地と定め築城を開始、慶長16年(1611年)、三の丸の完成で、全城郭が揃った。

追手門は、寛文4年(1664年)の再建、享和元年(1801年)の大修理を経て現在に至る。 天守閣と追手門が、両方とも現存している城は、他に丸亀城と弘前城。 天守閣と追手門を、無理なく1枚の写真に収められるのはここだけである。

高知城

高知城

高知城

高知城
<<高知城:板垣退助像と天守閣>>
一豊像は城外の県立図書館の前に、千代像は城内追手門の内側にある。

千代像は、昭和40年(1965年)の建立。
一豊像は、初代は大正元年(1912年)の建立。現在の像は平成8年(1996年)の再建。

高知城
<<山内一豊像>>
高知城
<<山内千代像>>

板垣退助像は、杉の段に上がる石段脇にあり、天守閣を望む。 板垣の像が、一番いい場所をとっているような。

板垣退助像は、初代は大正12年(1923年)除幕、現在の像は昭和31年(1956年)の再建。

写真左半分の真ん中に板垣退助像、その向こうに追手門。

<<高知城:天守閣>>
現在の天守は、享保の火災による焼失を経て、寛延2年(1749年)に、再建されたもの。 外形は焼失前の天守を忠実に再現しているという。

高知城は、大高坂山(標高44.4m)に築かれた平山城で、天守閣は、現存12天守の一つ。

高知城

<<高知城:天守閣と本丸御殿>>
高知城には、本丸御殿が現存している。 天守閣と本丸御殿がともに現存しているのは、ここだけだそうだ。

二の丸から詰門をくぐって本丸に出る。 他の天守では、天守台の石段を上って天守閣に入るのだが、 ここは、まず、本丸御殿に入って、そこから天守閣に入るようになっている。

高知城
<<高知城:城郭模型>>
天守内は、現存天守らしく、急な階段と薄暗い室内。 大きな場所を占めていたのが、城郭の模型。 かなりの部分が現存していることが分かる。

高知城

<<高知城:天守閣からの郭内>>
最上階から外の廻縁高欄に出る。 金網もガラスにも遮られることなく、外を見ることができる。

桂浜
<<桂浜>>
明日は雨が降ることが分かっていたので、晴れているうちにと、桂浜まで足を延ばした。 市内からは、車で30分ほど。 ここも、平日とあって、混雑していない。

まずは、お目当ての坂本龍馬像へ。

桂浜

<<桂浜:坂本龍馬像>>
桂浜


坂本龍馬像。
像身5.3m、台座8m。
昭和3年(1928年)除幕。

桂浜
<<桂浜:桂浜から龍王岬>>
浦戸湾口の、龍頭岬と龍王岬の間に広がる海岸。 東の龍頭岬の高台には坂本龍馬の銅像があり、西の龍王岬には龍王宮がある。

きれいな浜ではあるが、海水浴はできない。 潮流が急で、危険だという理由である。

桂浜
<<桂浜:龍王岬>>
岬の先端にある赤い社が龍王宮。

桂浜

<<桂浜:龍王宮>>
海津見神社、祭神は大海津見神。

足摺岬
<<足摺岬>>
次の日は、足摺岬に。 朝から降っていた雨も、夕方が近づくにつれ、ようやく上がり、時々、日も差すようになっていた。

足摺岬展望台からの絶景。
左に天狗の鼻、右に足摺岬灯台。

足摺岬

<<足摺岬:中浜万次郎像>>
足摺岬


中浜万次郎像。
通称、ジョン万次郎。
ここ土佐清水市は万次郎の生地。


足摺岬

足摺岬

<<足摺岬:足摺岬灯台>>
大正3年(1914年)初点灯。
地上からの高さ:18.1m
水面からの高さ:60.6m


前回は、東の室戸岬に行くことができた。 照度などは、室戸岬のほうが大きいようだが、形は足摺岬のほうが段違いにスマートである。

展望台からは、椿のトンネルを抜けて、5分ほどで灯台に着く。

足摺岬
<<足摺岬七不思議:地獄の穴>>
かつて、足摺岬の一帯は、第38番札所金剛福寺の境内であり、弘法大師ゆかりの言い伝えのある珍しいものが散在している。 足摺岬の七不思議と言われているが、実際には二十以上もあるという。

地獄の穴:
この穴に銭を落とすと、チリンチリンと音がして落ちて行き、その穴は金剛福寺付近まで通じるといわれている。



足摺岬
<<足摺岬七不思議:大師の爪書き石>>
足摺岬灯台の入り口の手前に大師の爪書き石がある。 写真ではうまく写っていないが、間近で見るとそれらしき文字が見える。

大師の爪書き石:
弘法大師が岩に爪で「南無阿弥陀仏」の名号を彫ったとされる。



足摺岬
<<足摺岬七不思議:亀石>>
亀石と聞くと、奈良飛鳥路の亀石を思い浮かべてしまう。 こちらの石のほうが亀に似ている。

亀石:
亀に似た姿の石。弘法大師がこの亀に乗って亀呼場に向かっていると言われる。



足摺岬

<<足摺岬七不思議:ゆるぎ石>>

ゆるぎ石:
弘法大師が金剛福寺建立の際に発見した石。 親孝行者がゆすると石の上にある積み石が落ちるという。



足摺岬

足摺岬

<<足摺岬:白山洞門>>
足摺岬先端にある海蝕洞。 大きな岩山に、高さ16m、幅17m、奥行き15mの大きな穴が開いている。

万次郎足湯からは、足を湯につけながら、この洞門を上から見下ろすことができる。



見る角度によって、洞門はハートの形に見える。 また、洞門の上の岩には、口づけをしているような、洞門と同じ大きさの、少女の顔が浮かんでいる。

足摺岬


足湯のそばからかなり急な階段を下って、海岸にでて、間近に見ることができる。。

階段も気持ち前下がりになっているので、歩きにくいことこの上なし。 ホテルの大浴場を思い浮かべながら、奥さんと二人で、息を切らす。

足摺岬

足摺岬

<<足摺岬:叶崎展望台>>
足摺岬から西に直線20kmほどのところに叶崎がある。

ここも、絶景の海岸線である。